「潜在意識で人生を変えられる」と聞いたことはあっても、それに、きちんとした科学的根拠があるのか気になる方もいるでしょう。
結論から言えば、潜在意識の効果には、きちんとした科学的な根拠があります。
そこで今回は、脳科学と量子論の2つのアプローチから、潜在意識の科学的根拠をお伝えします。
Contents
1.潜在意識に関する一般的なアプローチ
まず、そもそも潜在意識について、一般的に知られている、フロイト、ユング、ジョゼブ・マーフィーの思想を取り挙げておきます。
ただ、結論から言えば、この3名の思想には、「潜在意識が人生を変える効果」に対する科学的根拠はありません。参考としてご紹介するのみです。
1-1.フロイトの無意識論
まず、精神科医であるフロイトは、人の精神(心)には、次の3つがあると提唱しています。
A.エス(無意識)
快楽原則と呼ばれる、快感を求め、不快感を避ける衝動的、本能的な部分です。
欲望のままに「~したい」「~がやりたい」と衝動的に駆り立てられる部分で、フロイトは、エス(無意識)を制御すべきものだと考えています。
B.自我(意識の層)
エスによる衝動をコントロールし、現実世界に適応できる選択をする部分です。
「知性の座」とも呼ばれています。
C.超自我(意識と無意識の両方)
道徳的良心や、社会的良心のことで、「~しなければならない」「~であらねばならない」という強制的な性質を持つ部分です。
親から言われたことや、社会のルールなどにより形成されることが多いです。
上記を見ると、フロイトの学説には、しっくりと来る部分もあり、信頼性が高いように感じられるかもしれません。
ですが、フロイトの無意識論は、科学的な根拠に基づいているわけではありません。
1-2.ユングのタイプ論
フロイトと同様に、精神科医であるユングは、人の精神を「タイプ論」で説明しています。
これは、
- 2つの態度(外向的、内向的)
- 4つの機能(思考、感覚、感情、直感)
の掛け算で、8パターンに人を分類するものです。
1-2-1.2つの態度
外向的とは、自分の外に関心が向くタイプです。他者や周囲の環境に目を向け、自分の外側に影響を与えようとします。
一方、内向的とは、自分の内側に関心が向くタイプです。自分の心の動きに強い関心を持ちます。
1-2-2.4つの機能
機能とは、物事を判断する時に、どれに頼る傾向があるかということです。
- 思考寄りの人⇒客観的、論理的、分析的に判断する
- 感情寄りの人⇒感情を最優先に判断する
- 感覚寄りの人⇒五感に頼って判断する
- 直感寄りの人⇒ひらめきに頼って判断する
以上の2態度×4機能により、各人が8つのタイプのうちどれに当てはまるかを見極めるのが、ユングのタイプ論です。
このように、ユングの説も興味深いのですが、単に人をタイプ別に分けただけですので、潜在意識に効果があることの科学的根拠にはなり得ません。
1-3.ジョセフ・マーフィーの「潜在意識による願望実現」
そうした中で、潜在意識を使うと、願望を叶えられると提唱した第一人者が、ジョゼフ・マーフィーです。
潜在意識を活用することで、自分も周囲の人も成功し、幸福になれるという「潜在意識の法則」を提唱しています。
そして、このマーフィーの思想が、成功哲学を唱えたナポレオン・ヒルなどにより、自己啓発の分野にも展開されていきます。
これにより、きちんとした科学的根拠が示されないまま、潜在意識に関する様々な情報が世に広まっていったわけです。
2.潜在意識の科学的根拠とは
ここでは、「脳科学」と「量子論」の2つのアプローチから、「潜在意識には人生を変える力がある」と言える科学的根拠についてお伝えします。
2-1.「脳科学」による潜在意識の科学的根拠
結論から言えば、脳科学が示すことは、脳の一部で潜在意識が形成され、その潜在意識により、私たちの現実に対する捉え方が変わるということです。
ポイント①:脳の海馬が、「長期記憶」としての潜在意識を創る
脳科学者の池谷裕二さんによれば、脳科学では、海馬(かいば)と呼ばれる部分の存在になっています。
この海馬は、まず情報を海馬自身に「短期記憶」として蓄積します。そして、海馬が、ずっと記憶しておいた方が良いと判断した情報だけを、大脳皮質に書き込み、「長期記憶」とするのです。
この知見を、意識のことに当てはめると、「短期記憶」が顕在意識で、「長期記憶」が潜在意識に該当します。
そして私たちは、長期記憶に従って、様々な物事を判断しているため、長期記憶を自在に書き換えられれば、人生を変えられるわけです。
ポイント②:「長期記憶」は、3つのパターンで形成され、潜在意識を創る
さらに、海馬が「長期記憶」として保存するのは、次の3つの記憶であることが、脳科学では分かっています。
A.手続き記憶
頭で考えなくても行動に移せる、技術やスキル、ノウハウなどに関する記憶です。
たとえば、自転車の乗り方は、頭で思い出そうとしなくても、身体が覚えているはずです。
つまり、私たちが身体を用いて、何度も繰り返し行ってきたことは、手続き記憶として蓄積されており、必要な時に無意識のうちに活用されるわけです。
したがって、身体を使って、ある技術やスキル、ノウハウを何度も経験・体験すれば、手続き記憶を意図的に創り出すことができます。
B.意味記憶
物事の意味を表す知識や情報に関する記憶です。
そして、この意味記憶に基づいて、私たちは、自分に起きた出来事の意味を解釈するわけです。
したがって、何度も紙に書いたり、何度も発音したり、強くイメージしたり、紙に書き出したものを目立つところに貼っておいたりすることで、意味記憶を意図的に創り、未来の出来事に対する解釈を、ある程度変えることができます。
C.エピソード記憶
日時や場所に関連した記憶のことです。
たとえば、10歳の誕生日に、親からマウンテンバイクを買ってもらったなどの記憶です。
自分にとって印象的な出来事は、その出来事に紐づいた感情と共に、エピソード記憶化されることが多いです。
そして、私たちは、その記憶に紐づいた感情を通して、「また同じようなことがあるかもしれない」という未来に対する怖れを抱いたり、出来事に対する解釈をします。
ですので、エピソード記憶を書き換えることが出来れば、未来に起きることの意味を変えられると言えます。
以上のように、脳科学によれば、記憶としての潜在意識が創り出されることと、その潜在意識により、現在や未来に起きる出来事に対する私たちの解釈が変わることが示されています。
2-2.「量子論」による潜在意識の科学的根拠
次に、量子論の観点から、「潜在意識に人生を創り出す力があること」の科学的根拠を説明していきます。
ポイント①:全てのものは量子から出来ている
あらゆる物質を細かく分解していくと、物質>分子>原子>陽子>素粒子(量子)と分解されます。
つまり、私たちが見ている全てのものは、量子から出来ていると言えます。
ポイント②:量子は、観測者の意識次第で、現実世界に異なる現象として現れる
そして、この量子には、「二重スリットの実験」と呼ばれる実験が行われています。
この実験は、「量子」を電子銃で撃つと、観測者がいる場合には「量子」のまま着弾しますが、観測者がいない場合には「波」として着弾するというものです。
このことから、(全てのものの源である)量子は、人間の意識が介在することで、異なる現象として現実化することが証明されたわけです。
言い換えると、私たちが意識するからこそ、現実が生まれるということです。
ポイント③:私たち(観測者を含む)の意識の88%は、潜在意識である
そして、私たちの意識のうち、88%を決定づけるのは潜在意識だと言われています。
一方で、私たちが普段使っている顕在意識は、わずか12パーセントの力しか持ちません。
以上の3つのポイントから、私たちの潜在意識が介在することで、(全てのものの源である)量子は形を変え、異なる現実を引き起こすことが証明されたと言えます。
3.潜在意識の力を確信したいなら、科学的根拠より、あなた自身の体験
以上のように、脳科学や量子論というアプローチで、潜在意識が出来上がる仕組みや、潜在意識が現実に働きかけることを説明してきました。
これを聞いて、「なるほど、照明されているなら安心だ」と感じる人と、「本当にそうなのかな」と感じる人がいることでしょう。
ですが、これを言うと元も子もないのですが、潜在意識を使って人生を変えることの根拠が欲しいなら、最後は、あなた自身でそれを体験するしかません。
たとえば、ストーブのスイッチを入れると、寒い冬でも部屋が温かくなることの科学的根拠を知りたい人は、おそらく多くないでしょう。
なぜなら、スイッチを押せば温かくなるという体験をし、ストーブの効果に対して十分に確信を得ているため、科学的根拠が必要とすら感じないからです。
これと同様に、もしあなたが「潜在意識には、自分の人生を変えてくれる何かがあるかもしれない」と少しでも感じているなら、その直感的な感覚を頼りに、実際に潜在意識について学び、潜在意識を書き換え、人生を変える行動を起こすことが一番です。
私は、そうやって自分で体験することで潜在意識の力を確信し、潜在意識が全てであるという人生観で生きている人を、(私自身も含め)大勢知っています。
4.潜在意識で人生を変える簡単な方法
当サイトでは、下記で、潜在意識について体系的にまとめています。読めば、潜在意識について、たいていのことは分かるでしょう
そして、当サイトでは、クリスタルマインドCDというツールを用いて、潜在意識を簡単に変える方法をお伝えしています。(詳細は、下記を参照)
潜在意識で人生を変え、本当の意味で、潜在意識の効果に確信を持っていってください。
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